宮城の日本酒 蔵元紹介
<ま行>
真鶴、田林(田中酒造)
職人気質な穴場蔵。1789年創業の田中酒造店。宮城県内でも庄内系の流れをくむ酒蔵。石畳の風情と白壁塗の建物、昔の建物がそのまま残っているなんだかとても雰囲気がいい。手間暇かかる蓋麹での麹つくり。山廃造り、生酛造りという伝統製法。多くのファンに晩酌酒として愛される「真鶴の山廃」。伝統酒「真鶴」と新生チャレンジ酒「田林」のふたつの看板酒。真鶴の一番の個性は「水」かもしれない。中軟水。加美町の色麻地区という場所から昏々と湧く水。どんな時でも枯れることがなかった水。この水が、真鶴の味の決め手に。まったりさらり、真鶴特有の雰囲気を醸し出す。麹作りは、手間暇かかる蓋麹。温度調節も機械じゃない、人間の判断と決断力。感覚が研ぎ澄まされるすごい手法。そして蔵内の空気にいる自然の乳酸菌を取り込む「山廃仕込み」。櫂棒で米をすりつぶす「酛すり」は、なかなか素人がやっても米をつぶすことが出来ず、相当大変な作業(体験しましたが、無言になります(汗)。ただ、本当に丈夫な酒ができる。生酛造りで仕込んだ「田林 特別純米酒」は、熱燗をつけたときのフルボディな旨さ、最高に旨く、これを飲んだら他を飲めない!と話す燗酒ファンの心をわしづかみ。宣伝下手な職人気質。その性格もふくめて、真鶴さんは好みの味なんです、なんだかハマる。宮城でも個性派蔵、必見。
【杜 氏】 盛川 泰敬
【文責】 むとう屋 佐藤 華子(華ちゃん)