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宮城の日本酒 蔵元紹介
<わ行>
綿屋(金の井酒造)
小僧不動の滝・水神社の水を仕込水に使う綿屋。空を見上げるとまあるく木々が滝を囲む。蔵から4キロほど先の滝。山が滝を見守るように、水を守るように、神秘的な空気が流れる神社の水。大正4年創業の金の井酒造。無類の酒好きだった創業者の心を忘れてはいけないと、創業当時の屋号『綿屋』を復活。綿屋は、とにかく農業とのつながりが厚い。細かなところまで話し合う。農業高校とのコラボ酒も、世代を超えてファンが多い。孫の作った米の酒だなんて会話も聞こえる。同じ酒米でも農家が違う、とある仕込の時期は35種類もの米を仕込んでいたこともあった。米に合わせて酵母もかわれば、仕込もかわる。なんと蔵人泣かせ(笑)米へのあくなきにこだわり、炭素濾過をせず、しぼったままの味や香りの風味を生かし、米蔵での貯蔵など温度や熟成の工夫。現在の綿屋が目指したのは「食仲酒」。昆布や出汁、素材との調和を目指してきた。香りも控えめ、決して今風ではないが、奇をてらわない酒。中でもオレンジ帯「特別純米美山錦」のクオリティは見事。こだわりの酒米「雄町」の重厚さ。一迫のブランド牛「新生漢方牛」の堆肥で育てる有機栽培米ひとめぼれ「綿屋 幸之助院殿」もファンが多い。〝一迫〟という土地の風土と繋がる日本酒だ。
【杜 氏】 鎌田 修司
【文責】 むとう屋 佐藤 華子(華ちゃん)